肉もやしいため

おいしい

アッシュ・リンクスと奥村英二

※ネタバレしかない

※極端なことは書いてないけど、過敏な人にとってはBL的な意味合いの文章が一部あります

 

 

 

 

先日、友達にすすめられてバナナフィッシュのアニメを見た。

 

クオリティが高くて面白かったから2話、3話と見た。

結果、展開の面白さに我慢が出来ず、TSUTAYAで全巻レンタルして昨日の夜全巻読んだ。

 

その結果、翌日が仕事にもかかわらず深夜2:30に寝落ちするまでさめざめと泣き、仕事中もあまりのシナリオに胸を痛める始末だった。

 

私のまとめられない吐き出しきれない気持ちをぶちまけたい。

 

 

学生時代、ブックオフでバイトしてたからバナナフィッシュの事は知ってた。

随分古い漫画の印象と、タイトルから勝手に「バナナと魚にまつわるコメディ」だと思っていた。

 

遡ると中学だか小学生の頃、親の働いていた図書館にバナナフィッシュがあったらしく、親が借りてきてくれたのを覚えてる。

ただその時私が読み切ったのかは覚えていない。

一つ感じ取っていることがあるとすれば、「やたらと私のツボを刺激する展開、設定が出てくる」という事。

多分、中盤までは読んだのかもしれない。

多大なる影響を受けている気配を感じる。

 

過去に出会いがあった割には、私は結末まで見ずにアラサーを迎えたらしい。

あの頃の自分をぶん殴って「今すぐ読め!」と言いたい気持ちと、「この歳で読んで良かったね」と思う気持ちがある。

 

 

アッシュはとにかく頭が良いし、カリスマ性がある。

コマの表情一つ一つに引きつけられる。

最初はすごく強いボスなんだと思った。ただそれだけで皆が慕ってるんだと。

そうじゃなかった。

アッシュといると、部下達は自分にも見られないような出来ないような事が出来るって夢見てたに違いない。

もちろん怖い部分もあるんだけど、自分にはとても思いつかない作戦とか知略とか、そういうもので自分たちを見下してる奴らに一泡吹かせてやれる。

しかも、そこに自分が関われる。

だから信者のように慕うんだと思った。

 

でもアッシュって、いつまでも時が止まったまま11歳の頃から動けないアッシュと、年相応の子供っぽい面があるんだって英二といると気付かされる。

くだらない嫌味の言い合いとか、だらしなく緩んだ表情とか。

英二にしか見られないアッシュの表情。

英二だけがアッシュを癒せる。

 

ユーシスが言うように、なんで英二なんだろうって思わないでもないんだけど、英二だったんだよね。

誰もが恐れる自分の鋭い牙に触らせてと言ってきた瞬間から、アッシュにとっては「俺に撃たれる可能性を微塵も感じていない」って言う、全身全霊の無償の信頼が、ただ隣にいるだけで安らげる大きな安心感だったんだろうね。

 

誰もが見返りを求める世界にいたのに、生まれて初めて見返りを求めず、ただそばにいて信じてくれる存在と出会ってしまった。

アッシュが心の底で求めていたおかあさんの側面もあったかもしれない。

 

 

私はアッシュが英二にそばにいてほしいと言った時、すごく嬉しかった。

怯える子供に甘えられる場所が出来たんだと思った。

ずっとずっと傷付き続けたアッシュがようやく傷つかないでいられる場所なんだと。

 

ボスとして慕うんでも、性欲のはけ口にされるんでもない。

 

最終巻に向かうにつれ、怪しい気配は多々していたけど、私はきっとアッシュと英二は2人で日本に行くんだと信じていた。

銃のない世界で英二と笑ってほしいと思っていた。

 

最終話、私にとっては絶望だった。

そんなのあんまりだよ。

これからようやく幸せになるのに。

これからようやく、何のしがらみもなく笑って過ごせるようになるのに。

常に最悪のことなんて想像しなくて良くなるのに。

英二が待ってるのに。

 

辛くて仕方なかった。

なんでこんな残酷なことをするのと思った。

 

漫画を読んで、久しぶりに声を上げて泣いた。

 

私はジョジョの中でもとりわけ2部と5部が好きなんだけど、まあ死ぬ。特に5部。まあ死にに死にまくる。

だから主要キャラの死なんて慣れてると思ってた。

でもそうじゃなかった。

ジョジョの死は「どんな苦境でも敵に立ち向かい、誇りをかけて戦い、そして死ぬ」なんだけど、アッシュの死はただ「未来を奪われた死」だった。

その先に幸福が待っていて、その幸福に今手を伸ばしているのに、唐突に奪われてしまった。

だからあまりにも無情で悲しくてつらかったんだと思う。

アッシュ自身が、「未来を奪われて死ぬ」と苦しんでいるんじゃなくても、微笑んで穏やかに死んだんだとしても。

 

でも、自分でも思っていた事がある。

アッシュは、もしも日本に来たとして、老いて死ぬまでなんの負い目も感じず幸せになれただろうか?

 

アッシュは人をたくさん殺した。

その罪悪感に苛まれてもいた。

 

英二が言うように、それは自分の身を守るためであったり、英二を助けるためだったりしたし、無差別な悪意の行為じゃなかった。

けど、アッシュがそれでも自分を責めないでいるかどうかといわれたら、きっと責めただろうと思う。

アッシュは、自分ではそうは思わないかもしれないけど、すごく純粋で優しいから、穏やかな日々を送れば送るだけ、きっと負い目に苛まれる。

人を殺した自分が幸福な日々を送っていいのだろうかって。

 

アッシュの境遇を知ってなお、「だからと言って人殺しは人殺し。罪は罪」と私は言えない。

あんなにも痛めつけられた子が、牙を剥いて自分の身を守って何がおかしい?と思うし、きっと私がそばに居たら加担していたに違いない。

 

アッシュは血で汚れていると言ったけど、その血は洗い流せる。

またやり直せる。なんだって出来る。

でも、人を殺す事の重さや、他人に踏みにじられる苦しみを知っているアッシュが、それで自分を許せるかと考えた時に、アッシュは自分を許すことはしないと思った。

英二だけがアッシュを赦す。

アッシュの苦しみを癒せる。

 

だからアッシュは、図書館で微笑んでいたように、誰かから無償の愛を注がれながら、幸福に満たされて死ぬ事が結果としてなによりも救いだったんじゃないかと思ってしまった。

ようやく解放されるんだと。

 

でも、私は英二と幸せになってほしかったんだ。

 

唐突に腐った話が混ざるけど。

 

アニメが始まる時、ぶっちゃけちょっとBLを意識した。

単純に英二の顔が好みだったからなんだけど。

漫画を読んでそういう下心は一切取り払われたんだけど、同時に、私のすごく好きな「性別も年齢も国籍も何もかもをこえて、ただ無償に相手を愛する」、そんな2人であると思った。

それが恋愛でも友情でも家族愛でももうなんでも良い。

アッシュが英二の笑顔を見て幸福を感じてくれるなら、それがどんな感情だって良いんだ。

 

どんな感情でも良いから、2人に幸せになってほしかった。

 

アッシュは手紙を読んだ時、「守らなければ」という文字を見た時、遠く離れていても英二の愛情を感じて、山猫から飼い猫に戻った。

これ以上ない無償の愛を感じたから。

あの瞬間は絶望だったけど、あの瞬間、アッシュが何ものにも変えがたい幸福に包まれて、孤独な場所だった図書館で穏やかな優しい気持ちに包まれていたんだとしたら、あの瞬間は絶望であり希望だったんだと思う。

 

 

 

とか言うけど!!!!!!!

何をどう頑張ってアッシュを幸福に看取ろうとしたって!!!!!!やっぱり英二と笑う未来が見たかったんだ!!!!!!

日本で罪悪感に苦しむアッシュを英二が解きほぐしていく未来が見たかったんだ!!!!

でも罪は罪でもありアッシュは被害者でもありでも、でも、でも、でも、アーーーーーーーーー!!!!!!!

 

本当につらい

 

 

 

 

 

 

ここまで書いて。

ようやく光の庭を読んだ。

しんどい。ただしんどい。

もう何も言えない。

アッシュは英二と魂で結ばれて、永遠に一緒にいる。

生きて一緒にいてほしかった。

生きて一緒に歳月を過ごしてほしかった。

英二にしか撮れないアッシュの写真。

英二がどんなに7年間苦しんだんだろうと思うとやりきれないし、アッシュの写真と向き合うのに7年もかかったんだと思うとつらくて仕方ない。

でも前向きな一歩が踏み出せてよかった。

 

英二の写真を見てみたい。

 

この作品にこの歳で出会えた事がすごく嬉しい。

ただ、涙腺ガバガバの私にはあまりにつらくもあった。

アニメをこれからリアルタイムで追いかけていくにつれて、また同じ苦しみを味わうのだと思うと、「なんてものをアニメにしたんだ」と思ったりする。

でもアニメにならなかったら、いつまでも読まなかったかもしれない。

巡り合わせがありがたい。

アニメで、動いて喋る2人が少しでも幸せにいられることを願う。

 

 

 

 

レンタルしてきたコミックを速やかに返却ののち、即座に全巻買い直します。